AI技術の進化により、テキストや画像、音楽などをAIで生成することが一般的になりました。
企業やクリエイターにとって、AIを活用したコンテンツ制作は大きなメリットがありますが、「AIで作成した画像を商用利用しても大丈夫?」という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?
実際、利用するAIツールによって商用利用の可否や条件が異なります。
この記事では、主要なAIツール(ChatGPT、DALL·E、Stable Diffusion、Midjourney、Google ImageFX)の商用利用のルールを分かりやすく解説します。
目次
DALL·E(OpenAI / ChatGPT)
利用規約
DALL·EもChatGPTと同様にOpenAIの利用規約が適用され、個人ユーザー向けサービスの一部として位置づけられています(規約の更新日は2024年12月11日)。
商用利用の可否
商用利用可能です。
OpenAI公式ヘルプでも「コンテンツポリシーと利用規約に従う限り、DALL·Eで作成した画像の権利はユーザーにあり、再版・販売・商品化する権利を含めユーザーが所有します」と明記されています。
無料クレジットで生成した画像であっても有料利用分と同様に自分の作品として扱えます。
制限事項
DALL·Eのコンテンツポリシーにより、違法用途や不適切な画像の生成は禁止されています(暴力・ヘイト・ヌードなどのコンテンツは不可)。
生成画像にはデフォルトでDALL·Eのシグネチャ(右下のウォーターマーク)が付きますが、これは任意で取り除くことができ、クレジット表記も必須ではありません。
ただし、AIが生成に関与したことを偽らない(完全な人間制作だと誤解させない)ようにする必要があります。
ライセンス条件
利用者は生成画像の著作権を含む全権利を保有し、OpenAIはそれらの画像に対して追加の権利主張をしません。
ユーザーは自身の創作物として画像を編集・配布・販売できます。二次利用もユーザーの判断で可能ですが、第三者の権利を侵害する素材を含む画像を生成・使用した場合はその責任を負う点に留意が必要です。
最新情報の更新日
DALL·Eの利用規約上の扱いは、OpenAIの個人向けサービス規約(2024年12月改定)に準拠しています。
また、OpenAIの公式ヘルプ記事による商用利用許諾の明記は2022年頃に更新された情報で、その内容は現在も有効です。
参考文献
- https://openai.com/policies/row-terms-of-use
- https://help.openai.com/en/articles/6425277-can-i-sell-images-i-create-with-dall-e
- https://help.openai.com/en/articles/6640875-how-should-i-credit-dall-e-in-my-work
Stable Diffusion(Stability AI)
利用規約・ライセンス
Stable Diffusionはオープンソースで公開されており、「CreativeML OpenRAIL-M」(またはOpenRAIL++)というライセンスでモデルが提供されています。
このライセンスは商用・非商用問わず利用を許諾する比較的寛容なもので、モデル公開時(2022年8月)の公式発表でも「商用および非商用利用を可能とする許諾」であることが強調されています。
商用利用の可否
商用利用は可能です。
モデル作者であるStability AI(およびCompVisチーム)は「ユーザーが生成した画像のアウトプットに関して一切の権利を主張しない」と明言しており、ユーザーは生成画像を自由に使用できます。
そのため、生成物を営利目的で印刷・販売したり、プロジェクトに組み込んだりといったことも制限なく行えます。
制限事項
ライセンス上、禁止用途として「法律に違反するコンテンツの共有」「他者に危害を与える用途」「個人の機密情報の不正拡散」「誤情報の拡散」「特定の脆弱な層を標的とする行為」などが列挙されています。
要するに、モデルや生成物の利用が違法行為や有害な目的に及ぶ場合は禁止されています。
クレジット表記の義務はありませんが、研究コミュニティでは出典としてモデル名(Stable Diffusion)を示すケースもあります。
ライセンス条件
前述の通り、生成画像の著作権について作者側は放棄しており、利用者は生成物の著作権者として扱われます(※完全に自動生成された画像の著作物性については法的にグレーな部分はありますが、少なくともモデル提供側から権利主張されることはありません)。
ライセンス条項に反しない限り二次利用や改変も自由です。
モデル自体を再配布・二次公開する場合は同ライセンスを継承し利用者に提示する必要があります。
最新情報の更新日
Stable Diffusionのモデルライセンスは2022年8月の公開時に定められて以降、大きな変更はありません(最新版モデルも同様のRAILライセンスに準拠)。
Stability AIの公式発表やライセンス文書が最新情報となります。
参考文献
- https://stability.ai/news/stable-diffusion-public-release
- https://taziku.co.jp/blog/stable-diffusion-creativeml
- https://github.com/CompVis/stable-diffusion/blob/main/LICENSE
- https://github.com/CompVis/stable-diffusion/blob/main/LICENSE-MODEL
Adobe Firefly(Adobe Inc.)
利用規約
Adobe FireflyはAdobe社が提供するジェネレーティブAI(画像・テキスト効果など)のベータ版サービスとして、Adobe Creative Cloudの一部機能または単独のプレビュー版として公開されています。
ベータ利用にあたり、Adobeの一般利用規約およびFirefly特有の追加規約(「Generative AIベータ版利用規約」など)が適用されます。
商用利用の可否
現段階ではベータ版のため、正式に商用利用を全面解禁しているわけではありません。
ただし、Adobe公式のアナウンスにおいては、将来的にFireflyで生成したコンテンツを商用利用できるようにする計画が示されています。
また、Adobe Stockなど自社ライセンス済みの素材を中心に学習されていると説明されており、著作権上のリスクを低減した形で商用利用が可能になる見込みです。
制限事項
Adobe Fireflyのベータ版では、ユーザーが生成するコンテンツについて以下のような制限・ガイドラインが示されています。
- 公序良俗や法令に反する利用の禁止
- 他者のプライバシーや肖像権、著作権などを侵害する行為の禁止
- 差別的・暴力的・猥褻な表現など、Adobeが不適切と判断するコンテンツの生成禁止
また、ベータ版であるためシステムの不具合や予期せぬ動作が生じる可能性があり、それによって生じた損害に対してAdobeが責任を負わない旨が規約で示されています。
ライセンス条件
AdobeはFireflyの学習素材として、Adobe Stockや公共領域(パブリックドメイン)などのライセンスクリアされたデータを使用していると説明しています。
ベータ利用規約上、生成されたコンテンツの著作権は原則としてユーザーに帰属する旨が示されていますが、正式版サービス開始後に改めて詳細なライセンス形態(商用利用の範囲・二次利用規定など)が定義される可能性があります。
現状では「ベータ版につき著作権・ライセンスに関する確固とした保証はできない」という立場のため、ユーザーは生成物の商用利用や公開にあたって慎重に検討すべきとされています。
最新情報の更新日
Adobe Fireflyは2023年3月に初期ベータ版が発表され、その後随時アップデートが行われています。
現時点(2025年時点の調査情報)では、正式リリース前のベータ段階であり、利用規約や商用利用に関する方針は今後も変更される可能性が高いと考えられます。
最新の情報はAdobe公式サイトやCreative Cloud内のドキュメントを参照することが推奨されます。
参考文献
- https://www.adobe.com/sensei/generative-ai/firefly.html
- https://helpx.adobe.com/firefly/faq.html
- https://blog.adobe.com/en/topics/adobe-firefly
Midjourney(Midjourney社)
利用規約
Midjourneyは利用プランによって生成画像の扱いが異なるユニークなライセンス形態を採っています。
2023年時点の利用規約では、有料会員か否かで権利条件が分かれています。
商用利用の可否
有料プランであれば商用利用可能です。
有料サブスクライバーは生成した画像の著作権を含む権利を保持し、自分の作品として自由に商用利用できます(Midjourney側も「生成した資産の権利は生成したユーザーにある」と認めています)。
一方、無料プラン/未加入ユーザーが生成した画像についてはユーザーに所有権はなく、代わりにMidjourneyから「Creative Commons BY-NC 4.0」(表示-非営利ライセンス)で利用許可が与えられます。
したがって無償利用の場合、生成画像は非営利目的に限り使用可能(商用利用不可)で、公開する際は出典(「Midjourneyで生成」等)の表示が必要です。
制限事項
Midjourneyはコミュニティガイドラインで不適切な生成を禁止しています。
他人の著作物や商標を侵害する画像の作成は禁止であり、ポルノや過度な暴力表現、憎悪表現なども利用規約上許容されません。
また有料プランでも、デフォルトでは生成された画像(およびプロンプト内容)はMidjourneyの公開ギャラリー上に公開され、他ユーザーによる閲覧やリミックス(二次加工)が可能です。
機密用途で利用する場合は追加機能の“Stealthモード”(Pro以上のプラン限定)を有効にして非公開化する必要があります。
ライセンス条件
有料会員が生成した画像の著作権はユーザーに帰属し、二次創作・再配布も含めユーザーの自由です。
ただし前述のように無料プランではCC BY-NCライセンスとなるため、商用利用や再配布は許可されず、個人利用や非営利目的に限られます。
企業利用については特例があり、年間売上100万ドル超の企業はProプラン以上でなければ生成物の権利を保持できない(小規模プランでは商用利用権が付与されない)と定められています。
これは大企業が廉価プランで大量利用することを防ぐ趣旨で、該当企業が商用利用する際はProプランに加入すべきとされています。
最新情報の更新日
Midjourneyの利用規約ポリシーは2023年1月時点で上記内容が公開されており、その後プラン名称の変更など細かな更新はあるものの、商用利用条件に関する基本的な部分(有料なら可・無料はCC BY-NC等)は維持されています。
最新の規約はMidjourney公式サイトのDocsに掲載されており、必要に応じ確認することが推奨されます。
参考文献
- https://taziku.co.jp/blog/midjourney-terms
- https://docs.midjourney.com/hc/en-us/articles/32083055291277-Terms-of-Service
Google ImageFX(Google Labs)
利用規約
ImageFXはGoogleが2024年8月に実験的にリリースした画像生成AIサービスで、Google Labs上で提供されています。
現在はベータ版的な位置づけのため、利用規約にも商用利用不可である旨が示されています。
Googleアカウントがあれば誰でも無料で試用できますが、1日あたり約30回(1回で4枚まで)の生成制限があります。
商用利用の可否
現時点では商用利用できません。
公式のFAQでも「商用利用は現時点で認められていない。将来的に有料版で可能になる可能性はある」と説明されています。
したがって、生成した画像を営業用途や製品に利用することは避ける必要があります。
制限事項
ImageFXで生成される画像には全てSynthIDという電子透かし(デジタルウォーターマーク)が埋め込まれており、AI生成画像であることが識別可能になっています。
利用上のコンテンツポリシーも存在し、他のGoogleのAIサービス同様に、暴力的・違法な内容や憎悪表現、公序良俗に反する画像の生成は禁止されます。
また第三者の著作権や肖像権を侵害するようなプロンプトも避けるべきです。
ライセンス条件
Googleから公式に明示された画像の権利帰属ルールはありません。
現状ではAI生成画像の著作権について明確な規定がなく慎重な取り扱いが必要とされています。法的には純粋なAI生成物は著作物として保護されにくいという側面もあり、ImageFXの画像もユーザーが自由に再利用できる保証はありません。
商用利用が解禁されていない以上、生成画像の二次利用(他サイトへの素材提供など)も控えるのが無難です。
最新情報の更新日
ImageFXに関する公式情報は2024年8月のサービス開始時点と、その後の利用者向け案内(Google LabsサイトやFAQ)によります。
今回参照した情報は2025年2月時点でのレポートで、Googleから商用利用ポリシー等に変更が発表されない限りこの内容が最新と考えられます。
各種アップデートは今後Google Labsのサイト上でアナウンスされる可能性があります。
参考文献
まとめ:AIツールを上手に活用しよう!
AIを使えば、手軽にコンテンツを生成できる時代になりましたが、商用利用の可否やルールはツールによって異なります。
特に、無料プランの制限や、企業規模による利用条件の違いには注意が必要です。
ビジネスでAIコンテンツを活用するなら、「利用規約を守りながら、安全かつ効果的に運用する」ことが大切です。
適切なルールを理解し、AIをクリエイティブに活用していきましょう!