サービスの成果が思うように出ない…そんな時に見直したいのが「ファネル思考」です。
お客様の行動を段階的に分解し、全体像を“見える化”することで、改善のヒントが見つかります。
目次
ファネル思考とは?その基本をおさえよう
「ファネル思考」は、マーケティングやセールスの現場で広く使われている考え方です。
お客様が最初に情報に触れ、商品を認知し、興味を持ち、検討し、購入に至るまでのプロセスを段階的に捉えることができます。
このプロセスは漏斗(ろうと)=ファネルの形にたとえられ、最初は多くの人にリーチし、次第に購入や契約に至る人数が絞られていく構造になっています。
ファネル思考を取り入れると、
- 顧客がどこで離脱しているのか
- どの段階がボトルネックになっているのか
- 効率よく成果を伸ばすにはどこを改善すればよいか
と言った「見えにくかった問題」がはっきり見えるようになります。
サービスをファネルで可視化するとはどういうことか?
サービス全体の構造や顧客の導線を「ファネル」の形で整理・視覚化することで、改善の方向性がつかみやすくなります。
たとえばWebサービスであれば、以下のようなファネル構造が考えられます。
- 認知フェーズ:広告やSNS、検索からの訪問
- 興味フェーズ:サービスページの閲覧
- 検討フェーズ:料金ページや事例の確認
- 行動フェーズ:無料登録・問い合わせ
- 購買フェーズ:有料契約・課金
このように分解することで、どこでユーザーが離脱しているのかが数字で把握できます。
「何となく成果が出ない」から、「〇〇のページで80%が離脱している」というように、具体的な課題として見えるようになるのです。
ファネルでの可視化のステップと実践ポイント
ここでは、実際にファネル思考を用いてサービスを可視化する手順を解説します。
ステップ1:カスタマージャーニーを洗い出す
まずは、お客様がサービスと接触するすべてのステップをリストアップしましょう。
例:
- 検索から記事ページを読む
- トップページに遷移
- 無料登録ページにアクセス
- 仮登録→本登録
このプロセスは業種やサービス形態によって異なりますが、「お客様の動線を正確に理解する」ことが最初のカギです。
ステップ2:数値データで各段階を測定
次に、それぞれの段階で「何人が到達し、次のステップに進んだか」を計測します。
Googleアナリティクスやヒートマップ、CRMなどのツールを使って、正確な数値を把握しましょう。
ステップ3:ボトルネックを発見
データから、「どの段階で落ちているか」を特定します。
例えば、登録ページの遷移率が極端に低ければ、「ページのデザイン」「登録フォームの入力項目数」などが原因かもしれません。
ステップ4:改善アクションを設計
原因がわかったら、それに応じた改善策を講じましょう。
- 離脱が多いなら、UI/UXを改善
- 検討段階で止まっているなら、導入事例やFAQを追加
- 最初の認知が弱ければ、SNS広告を強化
改善した結果を再び計測し、ファネルがどう変化したかを追いかけます。
良い例と悪い例の比較と解説
ファネル思考の活用には「見せ方」と「行動の分解精度」が重要です。
ここでは、よくある良い例・悪い例を比較して解説します。
良い例:細かくステップが分かれ、改善点が明確
例えば、以下のようなファネル設計です。
- 検索から記事ページに訪問:10,000人
- トップページへの遷移:4,000人
- サービス紹介ページ閲覧:2,500人
- 無料登録ページ閲覧:1,200人
- 仮登録実行:600人
- 本登録完了:300人
このように段階ごとの数字をしっかり取得し、どこで減っているかを可視化できていれば、打つべき手が明確です。
例えば、記事→トップへの遷移率が低いなら、CTAの見直しが必要かもしれません。
悪い例:ざっくり分けすぎて改善の手がかりがない
- サイト訪問:10,000人
- 購入:100人
このように2ステップしかなく、途中のプロセスが不明確だと、改善ポイントが見えません。
訪問数と購入数の差だけを見ても、「なぜそうなったのか」がわからず、施策が打てないのです。
まとめ:ファネル思考は、見えない課題を“見える化”する最強のツール
サービスを改善し、成果につなげるには「どこで何が起きているのか」を具体的に把握することが欠かせません。
ファネル思考はそのための強力な武器です。
まずは、お客様の導線を整理し、各ステップを分解するところから始めてみてください。
そして数値で可視化し、ボトルネックを発見し、地道に改善を重ねることが、確実な成果につながります。
ファネル思考で、あなたのサービスに“見える変化”を起こしてみませんか?